税理士・杉山会計事務所/相続税基礎講座

町田市の税理士/杉山会計事務所 町田,相模原,横浜を中心に顧問税理士・会計事務所として開業・設立から会計・決算・税務・申告まで企業を総合的にサポートします。


 町田市・相模原市・横浜市の開業・設立・会計・決算・申告・相続等のご相談なら

HOME > お役立ち講座 > 相続税基礎講座

Book.png相続税基礎講座

1.相続とは

相続は、原則として、死亡によって開始します。
 民法では、「相続は、死亡によって開始する」(民882)と定めています。
 そして、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に関する一切の権利義務を承継することになります。
 (扶養を請求する権利や文化功労年金を受ける権利など被相続人の一身に専属していたものは、承継されません)


相続の承認
 被相続人の財産及び債務を承継することを相続の承認といいます。
 相続の承認には、被相続人の財産・債務の一切を承継する単純承認と、限定して承継する限定承認とがあります。 期限内に相続の放棄も限定承認もしなかった場合には、単純承認したものとみなされます


相続の放棄
 被相続人の財産・債務の一切を承継しないのが相続の放棄です。
 相続の放棄をするためには、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄申述書を提出し、受理されなければなりません。

2.相続人

 民法では、相続人の範囲と順位につて次のとおり定めています。これを法定相続人といいます。
ただし、相続を放棄した人相続権を失った人は初めから相続人でなかったものとされます。

 イ.被相続人の配偶者は、常に相続人となります。
  (注)配偶者とは、婚姻の届出をした夫又は妻をいい、内縁関係にある人は含まれません。

 ロ.血族相続人
  次の人は、次の順序で配偶者とともに相続人となります。


【第1順位】 被相続人の及び代襲者(再代襲者)
  子が被相続人の相続開始以前に死亡しているときや、相続権を失っているときは、その者に代わって孫(直系卑属)が相続人となります。これを代襲相続といいます。直系卑属の場合、相続権は制限なく代襲されます。


【第2順位】 被相続人の父母
  父母が被相続人の相続開始以前に死亡しているときや、相続権を失っているときは、祖父母(直系尊属)が相続人となります。

 【第3順位】
兄弟姉妹及びその子
  兄弟姉妹が被相続人の相続開始以前に死亡しているときや、相続権を失っているときは、兄弟姉妹の子(甥や姪)が相続人となります。甥や姪が死亡している場合、その子供には代襲相続権はありません。

これらを要約すると次のとおりです。
・第1順位 子及びその代襲者(再代襲者) と配偶者
・第2順位  直系尊属(被相続人の父母等)と配偶者
・第3順位  兄弟姉妹及びその代襲者と配偶者

(養子) 養子は、その縁組の日から養親の嫡出子としての身分を与えられます。つまり、実子と同じ順位となります。

(嫡出子と非嫡出子) 嫡出子とは、法律上の婚姻関係にある間に生まれた子をいい、嫡出子でない子を非嫡出子といいます。非嫡出子は認知されていれば相続権はありますが、その法定相続分は嫡出子の相続分の2分の1とされています。

3.相続分

 相続分には、「指定相続分」「法定相続分」とがあります。
・指定相続分
 指定相続分とは、被相続人が遺言で相続分を指定するものです。民法では、遺言で指定された相続分が優先されます。
 但し、遺留分(相続により期待できる最小限度の財産を確保できる権利)を害することはできません。

・法定相続分
 遺言のない相続では、民法が各相続人の相続分を定め、遺産分割の基準とすることとされています。これが法定相続分です。なお、各相続人の協議が一致すれば、法定相続分と異なる割合で相続財産を分割することができます。
 この法定相続分とは、積極財産(資産)だけでなく、消極財産(債務)の分割割合にもなります。

主な法定相続分は次のとおりです。
相続順位   相続人                       法定相続分
・第1順位  子及びその代襲者(再代襲者)         配偶者 1/2    子        1/2
・第2順位  直系尊属(被相続人の父母等)         配偶者 2/3    直系尊属   1/3
・第3順位  兄弟姉妹及びその代襲者            配偶者 3/4    兄弟姉妹   1/4

(注)子、父母、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上ある場合は、それぞれの相続分は均等になります。

4.相続税の申告

(1)申告義務の有無
 相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合は、その財産を取得した人は、相続税の申告義務があります。
 したがって、課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下である場合には、相続税の申告をする必要はありません。
(注)相続税の申告が要件とされている配偶者に対する税額軽減規定小規模宅地等の特例、特定事業用資産の特例を適用することによって課税価格の合計が遺産に係る基礎控除額以下となるときには、相続税の申告が必要となります。

(2)相続税の申告書の提出期限
 相続税の申告書は、相続の開始があったことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10ヶ月以内に提出することとされています。

(3)相続税の申告書の提出先
 相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡の時の住所地を管轄する税務署です。

(4)遺産に係る基礎控除額
基礎控除額は、相続の開始のあった日(死亡の日)が、平成26年12月31日以前と平成27年1月1日以降の場合で次のとおり異なります。

 A.平成26年12月31日まで、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」
 B.平成27年1月1日以降、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

A.の場合の基礎控除額
 5,000万円 + ( 1,000万円 × 法定相続人の数 ) = 遺産に係る基礎控除額

B.の場合の基礎控除額
 3,000万円 + ( 600万円 × 法定相続人の数 ) = 遺産に係る基礎控除額

(注)法定相続人の数とは、相続の放棄をした人があっても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。
但し、被相続人に養子(普通養子)がある場合には、法定相続人の数に含める養子の数については、次のそれぞれに掲げる人数までとなります。ただし、特別養子については、この人数制限はありません。
 イ.被相続人に実子がある場合    1人
 ロ.被相続人に実子がない場合    2人

5.相続税の計算方法

 各人の納付すべき相続税額は、次の順序で計算します。

(1)各人の課税価格の計算
 相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人ごとに各人の課税価格を計算します。

① 相続や遺贈によって取得した財産の価額
② 相続時精算課税適用財産の価額
③ 債務・葬式費用の金額
④ 純資産価額 (①+②-③)
⑤ 相続開始前3年以内の贈与財産の価額
⑥ 各人の課税価格 (④+⑤) (千円未満切捨て)

(2)課税遺産総額の計算

課税遺産総額は、上記⑥の課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を差し引いて計算します。

⑦ 課税価格の合計額
⑧ 遺産に係る基礎控除額
⑨ 課税遺産総額 (⑦-⑧)

(3)相続税の総額の計算
相続税の総額の計算は、相続人等が遺産を実際にどのように分割したかに関係なく、法定相続人が上記⑨の課税遺産総額法定相続分に応じて取得したものとみなした場合の各人ごとの取得金額を計算します。
 次に、この各人ごとの取得金額にそれぞれ相続税の税率(下記速算表参照)を掛けた金額を計算し、その各人ごとの金額を合計します。これを相続税の総額といいます。

計算例
法定相続人の法定相続分に応ずる取得金額(千円未満切捨て)
  配偶者  1/2 ×税率 = 税額
  子A    1/4 ×税率 = 税額
  子B    1/4 ×税率 = 税額
                  合計(相続税の総額)
(注)法定相続人とは、相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人をいいます。

相続税の税率については、こちらへ(国税庁タックスアンサー)


(4)各人の納付すべき相続税額又は還付される税額の計算

相続税の総額を課税価格の合計金額に占める各人の課税価格の割合であん分して計算した金額が各人ごとの相続税額となります。
 なお、相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人を含む)及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割が加算されます。
 次に、各人ごとの相続税額から、贈与税額控除額・配偶者の税額軽減額・未成年者控除額などの税額控除の額を差し引いた金額が、各人の納付すべき相続税額又は還付される金額となります。

6.相続発生後の手続き

・相続の開始          被相続人の死亡

・7日以内            死亡診断書を添付して7日以内に市区町村へ死亡届を提出

・通夜・葬儀

・3ヶ月以内           相続の放棄又は限定承認する場合は、家庭裁判所へ3ヶ月以内に申し立てる。
                  3ヶ月以内に相続の放棄も限定承認もしなかった場合には、単純承認したものとみなされます。

・4ヶ月以内           被相続人の死亡日までの所得税等がある場合は、4ヶ月以内に税務署へ申告・納付

・相続人の確定         被相続人と相続人の本籍地から戸籍謄本を取り寄せて相続人を確認

・遺言書の有無の確認    遺言書があれば家庭裁判所で検認を受ける
                  ただし、公正証書による遺言は検認は不要

・遺産と債務の確認      遺産と債務を調べてその目録や一覧表を作成する
                  葬式費用も遺産額から差し引くことができるので、領収書などを確認しておく

・遺産の評価          相続財産の評価

・遺産の分割          遺産分割協議  遺産分割協議書の作成
                  申告期限までに分割できない場合は、法定相続分により相続したものとして相続税の申告をおこなう

・10ヶ月以内          相続税申告書の作成・提出・納付
                  延納、物納する場合は、その申請書等を提出

・遺産の名義変更       不動産・預貯金などの名義変更をおこなう

7.相続税申告の際の必要書類

相続税の申告に添付して提出する主な書類は、次のとおりです。

・被相続人             除籍謄本・住民票の除票・改製原戸籍謄本

・相続人全員            戸籍謄本(相続開始の日から10日を経過した日以後に作成されたもの)
                    住民票(相続開始日以後に作成されたもの)
                    印鑑証明書

・遺言書の写し又は遺産分割協議書の写し
                    遺言書(公正証書による遺言の場合を除き、遺言書は、家庭裁判所の検認が必要となります)
                    遺産分割協議書(相続人全員の署名と実印により押印されたもの)

・相続時精算課税適用者がいる場合
                     被相続人及び相続時精算課税適用者の戸籍の附票の写し

・土地                 登記簿謄本・住宅地図・公図・実測図等

・家屋                 登記簿謄本・固定資産税評価証明書

・貸家、貸地、又は借地     賃貸借契約書の写し

・預貯金、貸付信託等       相続開始時の残高証明書

・上場株式              評価明細書

・生命保険金、退職手当金    支払通知書

・借入金                残高証明書・金銭消費貸借契約書の写し

・未納公租公課           納付書の写し

・葬式費用              領収書の写し

8.お問い合わせ

相続・贈与についてのお問い合わせは、下記フォームにてお問い合わせ下さい。 
特に調査等の必要のない基本的なご相談については、初回に限り無料で承ります。
法律上お答えできない場合もありますので、御了承下さい。
【お問合わせフォーム】

※ご相談いただいた内容や情報については、秘密を厳守致します。